ザガーロ・アボルブ・フィナステリドの違い

ザガーロはグラクソ・スミスクライン株式会社が販売しているAGA治療薬です。

フィナステリドより効果が高いと期待されています。

また、同社より前立腺肥大の治療薬としてアボルブが発売されています。

以下の3つの観点で調査し、まとめてみました。

  • ザガーロとアボルブの違い
  • ザガーロとフィナステリドの違い
  • ザガーロの効果と副作用

 

ザガーロとは

ザガーロは男性型脱毛症の治療薬です。

2015年にグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK社、英国)が厚生労働省に認可されました。

 

ザガーロ0.1mg/0.5mgカプセルの色と形状

ザガーロカプセル0.1_0.5mg

錠剤の色は0.1mgが淡橙色、0.5mgが淡紅色です。

不透明の長楕円形の軟カプセル剤です。

全長が約19.3mm、厚さは約6.6mmです。

 

GSK(グラクソ・スミスクライン株式会社)とは

GSK

イギリス・ロンドンに本社を置く製薬企業です。

オーラルケアの製品で有名な印象があります。

歯磨き粉や入れ歯の洗浄剤が有名です。

箱の右上をよく見ると「GSK」のロゴがあります。

 

デュタステリドとは

ザガーロの有効成分であるデュタステリドは

5-α還元酵素のⅠ型、Ⅱ型の両者に対する阻害剤です。

Ⅱ型のみを阻害するフィナステリドを含むプロペシアよりも効果があることが期待されています。

 

この薬剤はアメリカで2002年に良性前立腺肥大の治療薬アボタードとして認可されましたが、

AGA治療薬として認可されていません。

当時、認可されなかった理由を東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男医師がGSK社の担当者に問い合わせたところ、

「先発品のマーケット情報(販売数量)が良くないので当社としては申請を断念した」

との回答があったそうです。

 

その後、2009年に韓国でAGA治療薬として認可を受けました。

日本では2009年に良性前立腺肥大の治療薬として、2015年にAGA治療薬として認可を受けた。

 

ザガーロとアボルブの違い

アボルブは前立腺肥大の治療薬です。ザガーロはAGAの治療薬です。

同じデュタステリドが成分として含まれていますが、用途と価格が異なります。

薬剤名 用途 備考
アボルブ 前立腺肥大 薬価:214円(2020年2月現在)
ザガーロ AGA 薬価基準未収載

 

ちなみに日本での販売名はアボルブ、海外での販売名はアボタードです。

呼び方は違いますが、指し示すものは同じです。

 

ザガーロとアボルブは保険適用されるのか?

ザガーロは保険適用されません。

アボルブは用途によって保険適用されるか否かが決まります。

 

アボルブは前立腺肥大の薬です。治療目的が前立腺肥大の場合、保険適用されます。

しかし、治療目的がAGA治療の場合、保険適用されません。

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3980

 

また、アボルブをAGAの治療目的で処方することについては、

良いともダメともルールが決まっていないそうです。

そのため、アボルブを処方するAGAクリニックが存在します。

 

ザガーロとアボルブの価格

価格の違いは「薬価」が定められているか否かです。薬価とは国が定めた薬の価格のことです。

一方、薬価基準未収載は薬価基準に収載されていない薬のことです。

アボタードは薬価が定められており、保険適用されます。

ザガーロは薬価基準未収載なので、自由診療になりクリニックが自由に値段を付けます。

薬剤名 用途 価格 備考
アボルブ 前立腺肥大 約6,400円 30錠×薬価214円で計算。保険適用前
AGA 約9,000円 AGAクリニックでの販売価格。保険適用なし
ザガーロ AGA 約9,000円 AGAクリニックでの販売価格

 

ザガーロの効果

フィナステリド錠の添付文書の「効果・効能」には【男性における男性型脱毛症の進行遅延】と記載されています。

一方、ザガーロカプセルの添付文書にある「効果・効能」は【男性における男性型脱毛症】と記載されています。

【進行遅延】のあるなしが違いです。

 

ザガーロ0.5mgはフィナステリド1mgの約1.6倍の効果があります。

ザガーロ0.1mgはフィナステリド1mgとほぼ同じ効果です。

 

デュタステリドとフィナステリドの違い

  フィナステリド   デュタステリド
製薬名 プロペシア
フィナステリド
  ザガーロ
製薬会社 MSD、その他   GSK
阻害DHT型 Ⅰ型   Ⅰ型、Ⅱ型
用量 0.2mg
1.0mg
  0.1mg
0.5mg
承認国 60ヵ国以上   韓国、日本
力価 1mg = 0.1mg
毛髪増加数 1mg < 0.5mg
血中半減期 3~4時間 3~4週間
副作用 1mg < 0.5mg

 

ザガーロ(デュタステリド)の飲み方と服用期間

対象年齢と性別は20歳以上の男性

ザガーロは20歳以上の男性のみを対象としています。

20歳未満での安全性及び有効性は確立されていません。

 

1日1回飲む

0.1mgを1日1回経口投与する。

0.5mgを1日1回経口投与する。

時間の指定は特にありません。

 

カプセルは噛んだり開けたりしない

カプセルの内容物が口腔咽頭粘膜を刺激する場合があるので、カプセルは噛んだり開けたりせずに服用させること。

 

服用期間は6ヵ月

投与開始後12週間で改善が認められる場合もあるが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要である。

 

効果がない場合

本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の改善がみられない場合には投薬を中止すること。また、6ヵ月以上投与する場合であっても定期的に効果を確認し、継続投与の必要性について検討すること。

 

ザガーロの取り扱いの注意

女性や子供は触れない

ザガーロは皮膚から吸収されるので女性や小児はカプセルから漏れた薬剤に触れないこと。

漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で洗うこと。

 

休薬しても一定期間は献血できない

以下の薬を服薬している人が対象です。

休薬して以下の期間が過ぎないと献血できません。

AVODART(アボダート)[製造:Glaxo Smith Kline社]……6カ月間
PROPECIA(プロペシア)[製造:Merck社]……1カ月間
PROSCAR(プロスカー)[製造:Merck社]……1カ月間

AVODART(アボダート)がダメなので、

同じデュタステリドを含むザガーロも同じ期間ダメと考えるのが自然です。

 

ザガーロの過剰摂取の安全性

成人男性にデュタステリドを最大40mgを1日1回、

7日間投与した臨床試験では重大な安全性上の問題は認められまでんした。

 

また、前立腺肥大症患者にデュタステリド5mgを1日1回、

6ヵ月間投与した臨床試験で認められた副作用は、

デュタステリド0.5mg投与時に認められたものと同様であった。

 

ザガーロの副作用と確率

第II/III相国際共同試験

ザガーロが投与された総症例557例(日本人120例を含む)中、95例(17.1%)に副作用が報告されました。(承認時)

副作用 症例数
勃起不全 24例(4.3%)
リビドー減退 22例(3.9%)
精液量減少 7例(1.3%)

 

国内長期投与試験

国内長期投与試験において、本剤が投与された総症例120例中20例(16.7%)に副作用が報告された。(承認時)。

副作用 症例数
勃起不全 13例(10.8%)
リビドー減退 10例(8.3%)
射精障害 5例(4.2%)

 

重大な副作用

肝機能障害と黄疸

 AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあります

黄疸については自発報告又は海外のみで認められている副作用であり、頻度不明とされています。

 

フィナリステドとデュタステリドの使い分けについて

「毛髪 ガイドライン2017を踏まえた治療update」の中で

東京メモリアルクリニック・平山の佐藤医師は

フィナリステドとデュタステリドの使い分けについて

以下のように実施している記載しています。

 

フィナリステドとデュタステリドの使い分け

  • AGAの第1選択はフィナロイド1mg錠
  • 初診時の年齢は40歳以上、N-H分類Ⅳ以上の場合、デュタステリド0.5mgを処方する場合もある
  • 長期のフィナステリド治療にて改善しない場合はデュタステリド0.5mgに変更してもよい
  • 患者が希望した薬剤を投与してもよい。この場合、リスク・ベネフィットの考慮も重要である

 

状況の勘案

フィナリステドとデュタステリドの使い分けについては以下を勘案しています。

日本国内での情報不足

国内販売期間が短く、日本での有害事象に関して十分な情報が集積されていない

 

フィナステリド1mgとデュタステリド0.5mgに大きな違いはない印象

佐藤明夫医師の印象として、デュタステリド0.5mgの効果はフィナステリド1mgと比べて大きな違いはないそうです。

7年以上の期間フィナステリド1mgを服用した患者がデュタステリド0.5mgに変更しました。

変更後は多少は改善を認めますが、患者自身が感じていない程度の改善であるそうです。

 

デュタステリドの副作用はフィナステリドよりも重い?

デュタステリドの場合はAGAに関与しないⅠ型も阻害することから、副作用の観点ではフィナリステドより不利と考えられます。

Ⅰ型のDHTの受容体が肝臓をはじめ全身の臓器に存在することから、未知の有害事象が生じる可能性を否定できない点にあります。

血中半減期に関しては、フィナリステドの3~4時間に比べて、デュタステリドは3~4週間と長いです。

もしデュタステリドによって副作用が出現した場合、服薬を中止しても、副作用が長期に残存する可能性に注意すべきです。

力価からその有効性を勘案すると、

デュタステリドの方がフィナリステドより効果が高いと考えられるが、

その差分に関する情報は2017時点ではありません。

 

参考資料

ザガーロカプセル0.1mg/ ザガーロカプセル0.5mgインタビューフォーム

毛髪 ガイドライン2017を踏まえた治療update Ⅲ章 2.DHT阻害薬

コメント